• 胃アニサキス症とは
• 胃アニサキス症の原因
• 胃アニサキス症の検査と治療

胃アニサキス症とは

アニサキス幼虫が食品を介して
人間の体内に入り込み、胃壁に食いつくことで激しい痛みや吐き気などを引き起こす病気です。
アニサキス幼虫は、通常クジラの消化管に寄生し、成虫になるため、人間に寄生して成虫になることはないのでご安心ください。
胃アニサキス症には個人差があり、寄生した食材を食べたあと、数時間で激しい胃痛や腹痛、
吐き気、蕁麻疹などの症状が出る人もいれば、症状が出ない人もいます。
症状が出た場合は、数時間前に何を食べたのか、原因となる食材があったのかを思い出してみましょう。

胃アニサキス症は数日以内に自然治癒します。
しかし、耐えられないほどの痛みを感じるケースが多いうえに、
アナフィラキシーという
強いアレルギー症状が出るケースもあるので、生魚などを食べて症状が出た場合は、我慢せず病院を受診することをおすすめします。

胃アニサキス症の原因

胃アニサキス症の原因は、寄生虫アニサキスです。
アニサキス幼虫は主に
サバ、イカ、アジ、イワシ、カツオ、サンマ、クジラといった海洋生物に寄生しています。
アニサキス幼虫が胃壁に食いつくことで直接的な痛みが起こるように思われがちですが、激しい痛みは、食いついた部位でアレルギー反応が生じるために起こると考えられています。

アニサキス幼虫は60℃以上で
1分間以上加熱するか、
－20℃で24時間以上冷凍するかで、感染性がなくなります。
したがって、胃アニサキス症は、原因食材を刺身や寿司などで生食した場合に発症します。
ちなみに酢ではアニサキスの感染を抑制できないため、
シメサバにも注意が必要です。

胃アニサキス症の検査と治療

胃アニサキス症により腹痛や
吐き気などの症状が出た場合、胃カメラ検査によってアニサキス幼虫を探し、発見すればそのまま除去治療が可能です。

ただし、アニサキスによって
アナフィラキシーや腸閉塞、
腹膜炎などの重篤な合併症を発症した場合には、症状に応じた治療が必要なので治療期間が長引く場合があります。
胃カメラ検査がすぐに実施できないケースにおいては、
ステロイドやアレルギー抑制薬を用いて治療します。